車検の分割払い・ローン|整備工場が用意できる支払い方法と注意点

「車検代を分割にできませんか」と聞かれたとき、整備工場が出せる答えは大きく3つあります。クレジットカードの分割払い・リボ払い・ボーナス払い、信販会社などの車検ローン、そして店が代金を後から分けて受け取る自社分割です。このページでは、3つの方法をお店側の目線で比べ、入金の時期、未回収のリスク、法定費用(自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料)の扱いを、国土交通省と経済産業省の公表資料に沿って整理します。ローンの条件は会社ごとに違うため、ここでは仕組みの一般論にとどめます。

車検の分割払いの方法と3つの選択肢

車検の分割払いは、誰がお客様に代わって代金を立て替えるかで分かれます。カードの分割払いではカード会社が、車検ローンでは信販会社などが立て替え、自社分割では整備工場が自ら立て替えます。立て替える主体が違うと、お店に代金が入る時期と、お客様が払えなくなったときに誰が損をするかが変わります。

方法お客様の手続きお店への入金未回収のリスク
カードの分割・リボ・ボーナス払い会計時にカードを出し、支払い方法を選ぶカード決済の入金サイクルで一括入金原則としてカード会社側
車検ローン(個別クレジット)店頭で申込書を書き、ローン会社の審査を受けるローン会社から立替金が入る原則としてローン会社側。加盟店契約が要る
自社分割(店の立替)店と分割の約束をする毎月お客様から少しずつ整備工場が負う

整備工場の負担がいちばん小さいのはカードの分割払いです。事務はほぼ増えません。お客様は会計時に回数を選ぶだけで、店は普段のカード決済と同じ処理で済みます。一方、カードを持っていないお客様や、利用枠が足りないお客様には車検ローンが選択肢になります。自社分割は審査がない分だけ入庫は決まりやすいものの、回収の手間と貸倒れをお店が抱えることになります。

車検の分割払いは3通り、店の負担が軽いのはカード分割

車検の分割払いには、クレジットカードの分割・リボ・ボーナス払い、信販会社などの車検ローン、整備工場の自社分割の3通りがあります。違いは代金を立て替える主体で、カードはカード会社、ローンはローン会社、自社分割は整備工場自身です。カード分割なら店には通常のカード売上として一括で入金され、お客様がその後払えなくなっても回収はカード会社とお客様の間の話になります。車検ローンは店頭での申込みと審査、ローン会社との加盟店契約が前提です。自社分割は審査が要らない代わりに、未回収のリスクと毎月の入金確認を整備工場が引き受けます。まずカード分割を用意し、カードが使えないお客様向けに他の方法を考える順番が、事務の手間を最も抑えられます。

クレジットカードの分割払いで車検代を受ける仕組み

経済産業省の資料では、クレジットカードの取引は「包括信用購入あっせん」と呼ばれます。カード会社が加盟店(整備工場)に代金を立替払いし、お客様は後日カード会社に分割などで支払う仕組みです。割賦販売法の対象になるのは、お客様の支払いが2か月を超える場合で、ボーナス一括払いも含まれます。

店は回数を決めません。分割の回数や手数料(金利)は、カード会社とお客様の契約で決まります。分割手数料が店に入ることもありません。店がやることは、会計時に端末で「分割」「リボ」「ボーナス」を選べる状態にしておき、お客様の希望どおりに操作することです。カードによっては分割払いに対応していないものや、回数の選択肢が限られるものがあるため、「ご利用のカードで選べる回数をお選びください」と案内しておくと行き違いが減ります。

日本カーネットが自動車業の方限定で取り次ぐ決済端末サービスは、Mastercard・Visa・JCB・American Express・Diners Club・Discover のカード決済で、分割払い・リボ払い・ボーナス払いに対応しています。店に入る金額は、分割を選ばれても一括払いのときと同じ扱いです。カード決済の入金は、1日から15日の売上が月末、16日から月末の売上が翌月15日の振込です。

カード分割の回数と金利はカード会社とお客様の契約で決まる

クレジットカードで車検代を分割払いにすると、カード会社が整備工場に代金を立て替え、お客様は2か月を超える期間でカード会社に返していきます。経済産業省はこれを包括信用購入あっせんと整理しており、ボーナス一括払いも対象に含めています。分割の回数と手数料はカード会社とお客様の契約で決まるため、整備工場は端末で支払い方法を選べるようにしておくだけで足ります。日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスでは、主要6ブランドのカードで分割払い・リボ払い・ボーナス払いを受け付けられます。店への入金は一括払いと同じで、1日から15日の売上は月末、16日から月末の売上は翌月15日に振り込まれます。

車検ローン(個別クレジット)と割賦販売法の要点

車検ローンは、割賦販売法では「個別信用購入あっせん」にあたります。お客様が店で買うたびにクレジット会社と契約を結び、クレジット会社が店に立替払いをする形で、経済産業省の資料にはオートローンやリフォームローンが例として挙がっています。

個別クレジットでは、ローン会社がお客様の年収や他の借入れから「個別支払可能見込額」を調べ、それを超える契約は原則として結べません。ただし同じ資料には例外措置の一覧があり、道路運送車両法に規定する点検・継続検査、つまり車検は、生活実態の丁寧な審査を前提に見込額を超える契約が結べるケースとして挙げられています。車検は生活に要る支出という扱いです。

整備工場が車検ローンを扱うには、ローン会社との加盟店契約、申込書の受付、本人確認の協力といった事務が発生します。割賦販売法では、加盟店がローン会社の行う調査に協力するよう努める規定も置かれています。受付担当がローンの条件を説明することになるため、金利や回数を口頭で約束せず、ローン会社の書面に沿って案内する運用にしておくのが安全です。

車検ローンは個別クレジット、車検は審査の例外措置に入っている

車検ローンは割賦販売法上の個別信用購入あっせんで、お客様が店で契約するたびにローン会社と契約し、ローン会社が整備工場に立替払いをします。ローン会社には年収などから個別支払可能見込額を調べる義務があり、これを超える契約は原則禁止です。経済産業省の2021年6月の資料では、道路運送車両法に規定する点検・継続検査(車検)が例外措置に挙げられ、生活実態の丁寧な審査を前提に見込額を超える契約も結べるとされています。整備工場が扱うにはローン会社との加盟店契約と申込受付の事務が必要で、条件の説明はローン会社の書面に沿って行います。

車検の自社分割(店の立替)のリスクと割賦販売法

常連のお客様から「2回に分けて払いたい」と頼まれ、店の判断で分けて受け取ることがあります。割賦販売法でいう「割賦販売」は、店が代金を2か月以上かつ3回以上に分けて受け取る方法で、指定商品・指定役務・指定権利を販売する取引です。どの商品・役務が指定されているかは割賦販売法施行令の別表で決まっているため、自社分割を制度として始める前に、対象になるかどうかと必要な書面を確かめておく必要があります。

お金の面のリスクもあります。車検では、自賠責保険料、自動車重量税、検査手数料を整備工場が先に払う場面が多く、自社分割にすると立て替えた法定費用の回収まで後ろにずれます。1台あたりの立替えが数万円でも、繁忙期の3月に重なれば資金繰りに響きます。自社分割を受けるなら、少なくとも法定費用分は入庫時に預かり、分けるのは整備費用だけにする、といった線引きを決めておきます。

自社分割は法定費用の立替えまで後ろにずれる

整備工場が車検代を自分で分けて受け取る自社分割は、未回収のリスクを店が負う方法です。割賦販売法では、店が代金を2か月以上かつ3回以上に分けて受け取り、指定商品・指定役務・指定権利を販売する取引を割賦販売と定義しており、対象かどうかは施行令の別表で決まります。車検では自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料を店が先に払うことが多く、自社分割にするとこの立替えの回収も遅れます。受けるなら法定費用は入庫時に預かり、分けるのは整備費用だけにするなど、上限と範囲を先に決めておくと資金繰りが崩れません。

車検の法定費用と分割払いの関係

車検代のうち、自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料は、店の売上ではなく国や保険会社に納めるお金です。分割払いを考えるときは、この部分をどう扱うかで店の負担が大きく変わります。

費目納め先カード払いについて公表されていること
自動車重量税国令和5年1月4日から、事前登録したクレジットカードで納付できる(国の手続きのみ)。重量税は決済システム手数料を利用者が負担
検査登録手数料・検査手数料国・自動車技術総合機構同じ仕組みでクレジットカード払いの対象。技術情報管理手数料(OBD手数料)も対象
自賠責保険料損害保険会社・共済加入先によっては保険料の支払いが現金のみの場合がある(国土交通省の自賠責ポータル)
整備費用・車検基本料整備工場店がカード決済に対応していればカード払い・分割払いができる

国の仕組みは、支払者が「くるまの保有関係手続お支払い情報登録サービス」に車両情報、支払いの上限額、カード情報を事前に登録し、運輸支局等で「キャッシュレス払い」の意思表示をして申請する流れです。決済は電子車検証の交付と同時に行われ、使えるのは Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners の各ブランドのカードとブランドデビットです。クレジットカードと印紙・証紙を併用することはできません。また国土交通省のチラシでは、軽自動車検査協会が行う軽自動車の手続きはクレジットカード払いに対応していないと案内されています。

この仕組みはお客様のカードで国に直接納めるもので、カードの分割払いを選べるかどうかまでは公表資料に書かれていません。店頭では「法定費用は国の制度や保険会社の取扱いによります」と伝え、店のカード分割の対象は整備費用と車検基本料にしておくのが確実です。

法定費用は納め先ごとに支払い方法が違う

車検代のうち自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料は、整備工場の売上ではなく国や保険会社に納めるお金です。国土交通省は令和5年1月4日から、自動車重量税と検査登録手数料などを事前登録したクレジットカードで払える仕組みを始めました。使えるのは Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners とブランドデビットで、重量税には決済システム手数料がかかり、軽自動車検査協会の手続きは対象外です。自賠責保険料は加入先によって現金のみの場合があります。店のカード分割は整備費用と車検基本料を対象にし、法定費用は別枠で説明すると誤解が起きません。

車検の分割払いを店頭で案内する手順

  1. 見積書で「整備費用・車検基本料」と「法定費用」を分けて書き、カード払い・分割払いの対象を明記する
  2. 受付カウンターと自社サイトの車検ページに「クレジットカードの分割払い・リボ払い・ボーナス払いが使えます」と掲示する
  3. 入庫時に支払い方法を聞き、カードの分割を希望される場合は引き渡し時の精算でよいことを伝える
  4. カードを持っていない、利用枠が足りないお客様には、扱っていれば車検ローンを案内し、扱っていなければ法定費用の預かりと整備費用の支払い時期を相談する
  5. 会計時は端末で支払い区分を選び、お客様に回数を確認してから決済する

見積書の分け方は、カード払い全般の説明と共通です。整備費用と法定費用の区分については、車検はカード払いできる?整備費用と法定費用の違いで詳しく書いています。決済端末の費用と導入の流れは整備工場のキャッシュレス決済導入ガイドにまとめました。

分割払いを受け付けるお店が増えると、気になるのは決済手数料です。日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスでは、端末のレンタル費用・初期設定費用・月額利用料が0円(適用には条件があり、通信環境は別途用意)で、カード決済の手数料は Visa・Mastercard が2.99%〜、その他のカードが3.24%〜です。車検代10万円を2.99%で受けると手数料は2,990円で、分割を選ばれても店の負担は同じです。手数料の考え方は決済手数料の勘定科目と消費税、法人のお客様への請求は請求書カード払いで受け取る方法も参考にしてください。

分割払いの案内は見積書の区分から始める

車検の分割払いで店頭が混乱するのは、どこまでがカードの対象かがお客様に伝わっていないときです。見積書で整備費用・車検基本料と法定費用を分けて書き、カード払いと分割払いの対象を明記すれば、会計時の説明は短くなります。受付と自社サイトの車検ページには「分割払い・リボ払い・ボーナス払いが使えます」と掲示し、入庫時に支払い方法を確認しておきます。カード決済の手数料は日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスで Visa・Mastercard 2.99%〜、その他のカード3.24%〜で、車検代10万円なら2.99%で2,990円です。分割を選ばれても店の手数料は一括払いと変わりません。

よくある質問

車検代を分割払いにすると、整備工場への入金も分割になりますか。
クレジットカードの分割払いなら、店への入金は一括払いと同じです。カード会社が代金を立て替え、お客様はカード会社に分けて返します。日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスでは、1日から15日の売上が月末、16日から月末の売上が翌月15日に振り込まれます。
車検の法定費用も分割払いにできますか。
国土交通省の仕組みでは、自動車重量税と検査登録手数料などを事前登録したクレジットカードで納付できますが、分割払いを選べるかどうかは公表資料に書かれていません。軽自動車検査協会の手続きは対象外で、自賠責保険料は加入先によって現金のみの場合があります。店のカード分割は整備費用を対象にするのが確実です。
車検ローンを扱うには何が必要ですか。
ローン会社との加盟店契約が前提です。割賦販売法では車検ローンは個別信用購入あっせんにあたり、ローン会社がお客様の支払可能見込額を調べます。整備工場は申込書の受付やローン会社の調査への協力を担います。条件はローン会社ごとに違うため、各社の書面で確認してください。
分割の回数や金利は整備工場が決めるのですか。
カードの分割払いでは、回数と手数料はカード会社とお客様の契約で決まります。整備工場は端末で支払い区分を選び、お客様の希望どおりに操作するだけです。分割手数料を店が受け取ることはありません。
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出典・参考資料

記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。手数料・条件は変わることがあるため、最新の内容は日本カーネットへのお問い合わせでご確認ください。

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