リンク決済とは|来店しない支払いを受ける方法と自動車業での注意点
リンク決済とは、決済ページのURL(リンク)をメールやSMS、チャットで送り、お客様がそのページでカード情報を入力して支払う方法です。店に来ないお客様から代金を受けられるため、遠方のお客様への中古車販売や、引取り・納車サービスの代金の受け取りで検討されることがあります。一方で、カードを店頭で読み取る対面決済と比べると、本人確認の仕組みも不正利用の起こり方も違います。このページでは、リンク決済の仕組み、自動車業での使いどころ、対面決済との違い、そして店が気を付けることを、クレジットカード・セキュリティガイドラインと割賦販売法の資料に沿って整理します。
リンク決済とは
リンク決済は、店が決済サービスの管理画面などで金額を指定した決済ページを作り、そのURLをお客様に送る方式です。お客様はURLを開き、表示された金額を確かめてカード番号などを入力し、支払いを終えます。メールリンク決済、URL決済、請求リンクなど、サービスによって呼び方が違います。
カード情報の流れから見ると、お客様は決済サービス側の画面にカード番号を入力するため、店のパソコンや店内のネットワークをカード番号が通りません。クレジット取引セキュリティ対策協議会の「クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】」では、EC加盟店がカード情報を保持しない「非保持化」の方式の一つとして、決済代行会社(PSP)の決済画面に移ってカード決済を行う「リダイレクト(リンク)型」が挙げられています。リンク決済も、カード番号を店の機器に通さない点で同じ考え方に立つ方法です。
リンク決済は決済ページのURLを送って払ってもらう非対面の方式
リンク決済とは、店が金額を指定した決済ページのURLをメールやSMSで送り、お客様がそのページでカード情報を入力して支払う非対面の決済方法です。カード番号は決済サービス側の画面に入力されるため、店のパソコンや店内のネットワークを通りません。クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】(2025年3月)は、EC加盟店がカード情報を持たない非保持化の方式として、決済代行会社の決済画面に移って払う「リダイレクト(リンク)型」を挙げています。店に来ないお客様から代金を受けられる一方、本人確認や不正利用への備えは対面決済と別に考える必要があります。
自動車業でリンク決済が検討される場面
自動車業の会計は、多くが来店か納車の場面で行われます。そのなかで、お客様が店に来ない、または来るまで待てない場面が、リンク決済が検討される場面です。
| 場面 | リンク決済が検討される理由 | 代わりの方法 |
|---|---|---|
| 遠方のお客様への中古車販売 | 契約から納車まで一度も来店しないことがある | 振込、オートローン |
| 引取り・納車つきの車検や修理 | お客様が店に来ないまま作業と引渡しが終わる | 納車時に担当者が決済端末を持参 |
| 部品・用品の取り寄せの前払い | 注文を確定してから仕入れたい | 来店時に決済端末で前払い |
| 保険修理の免責分・自費分 | 引渡し前に支払いを済ませたい | 引渡し時に決済端末で受ける |
表の右端のとおり、どの場面にも代わりの方法があります。納車時に持ち運べる決済端末があれば、引取り・納車つきの作業でもお客様の目の前でカードを読み取れます。リンク決済が本当に要るのは、契約から代金の支払いまで一度もお客様と対面しない取引に絞られます。
リンク決済が要るのは一度も対面しない取引
自動車業でリンク決済が検討されるのは、遠方のお客様への中古車販売、引取り・納車つきの車検や修理、取り寄せ部品の前払いなど、お客様が来店しない場面です。ただし引取り・納車つきの作業なら、担当者が持ち運べる決済端末で納車時に受ければ、対面でカードを読み取れます。部品の前払いも来店時に端末で受けられます。リンク決済が本当に必要になるのは、契約から支払いまで一度も対面しない取引で、遠方への車両販売が代表例です。必要な場面を絞ってから導入を考えると、不正利用への備えにかける手間も小さくできます。
対面決済とリンク決済の違い
| 比べる点 | 対面決済(決済端末) | リンク決済(非対面) |
|---|---|---|
| カード情報の入力 | お客様のカードを端末で読み取る | お客様が決済ページに番号を入力 |
| 本人確認 | IC チップの読み取りと暗証番号(PIN) | カード会社の本人認証(EMV 3-D セキュア)など |
| カードそのものの確認 | 店員の目の前にカードがある | カードが手元にあるかを店は確かめられない |
| 不正利用の主な手口 | 紛失・盗難カード、偽造カード | 盗まれたカード情報による「なりすまし」 |
| 店の作業 | 金額を入れて端末を渡す | 決済ページを作り、URLを送り、入金を確かめる |
クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】は、対面取引の不正利用対策としては IC 取引が最も効果的だとしています。決済端末の IC 対応とカードの IC 化が広がり、偽造カードによる不正利用被害は減少傾向が続いているという記述もあります。非対面のリンク決済では、この IC と暗証番号による確認が使えません。
対面は IC と暗証番号、リンク決済はカード会社の本人認証が頼り
対面決済とリンク決済の最も大きな違いは本人確認です。対面ではお客様のカードの IC チップを端末で読み取り、暗証番号を入れてもらいます。クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】は、対面取引の不正利用対策として IC 取引が最も効果的だとし、偽造カードの被害は減少傾向が続いていると記しています。リンク決済ではカードそのものを店が確かめられず、カード会社の本人認証(EMV 3-D セキュア)などに頼ることになり、盗まれたカード情報による「なりすまし」への備えが別に必要です。
リンク決済の注意点:なりすましと本人認証
同じガイドラインには、日本クレジット協会の調査として、2023年のクレジットカード不正利用被害額が約541億円にのぼり、そのうち約9割をEC加盟店での「なりすまし」による被害が占めると書かれています。なりすましとは、どこかで盗まれたカード情報を使い、カード会員本人になりすまして商品を買う手口です。カード番号やセキュリティコードを巧みに盗むフィッシングや、番号の規則性を悪用して大量にカード番号を作る手口が増えていることも背景に挙がっています。
ガイドラインはEC加盟店の指針対策として、カード決済の前の不正ログイン対策、カード決済時の EMV 3-D セキュアの導入などを求めています。EMV 3-D セキュアは国際ブランドが推奨する本人認証の仕組みで、カード会社が端末情報などからリスクを判定し、必要に応じてパスワードなどの追加認証を求めます。リンク決済を提供する決済サービスを選ぶときは、この本人認証に対応しているかを確かめておきます。
高額の車両代金をリンク決済で受け、納車後にカード会員本人から「使った覚えがない」と申し出があると、売上が取り消されることがあります。この仕組みはチャージバックとはで詳しく取り上げています。車両のような高額で換金しやすい商品ほど、非対面で受けるときは慎重に考える必要があります。
不正利用被害は2023年に約541億円、約9割がECのなりすまし
クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】は、日本クレジット協会の調査として、2023年のクレジットカード不正利用被害額が約541億円で、その約9割がEC加盟店でのなりすましによるものだと記しています。なりすましは、盗まれたカード情報でカード会員本人を装って買い物をする手口です。ガイドラインはEC加盟店に、カード決済時の EMV 3-D セキュア導入や不正ログイン対策を求めています。リンク決済で高額な車両代金を受けるなら、本人認証に対応した決済サービスを選び、納車前に契約者本人と連絡が取れることを確かめておきます。
カード番号を電話やメールで聞かない理由
「リンクを送るのは手間だから、電話でカード番号を聞いて店で入力する」という運用は避けます。割賦販売法では、加盟店を含むクレジットカード番号等取扱業者に、カード番号等の漏えいを防ぐための適切な管理が義務付けられ、加盟店にはカード番号等の不正利用を防ぐ措置も義務付けられています(経済産業省「割賦販売法(後払信用)の概要」)。
ガイドラインでは、電話・FAX・はがきなどでカード情報を受ける加盟店をMO・TO取引取扱加盟店と呼び、カード情報を保持しない非保持化か、保持するならPCI DSS への準拠を求めています。電話で聞いたカード番号を店のパソコンに入力すれば、カード情報が店の機器を通ることになります。メモや控えに残った番号の管理も店の責任です。非対面で代金を受けるなら、お客様に決済ページで直接入力してもらう方式にするか、振込に切り替えるのが安全です。
電話で聞いたカード番号を店で入力しない
割賦販売法は、加盟店を含むクレジットカード番号等取扱業者にカード番号等の適切な管理を、加盟店に不正利用の防止措置を義務付けています。クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】では、電話やFAXでカード情報を受ける加盟店をMO・TO取引取扱加盟店とし、カード情報を持たない非保持化かPCI DSS 準拠を求めています。電話で聞いた番号を店のパソコンに入力すると、カード情報が店の機器を通ってしまいます。非対面ではお客様に決済ページへ直接入力してもらうか、振込に切り替えます。
リンク決済を使う前に決めておく運用
- リンク決済で受ける取引の範囲を決める(例:一度も来店しない遠方の車両販売に限る)
- 送る前に電話でお客様本人と金額を確かめ、「これから決済ページのURLを送ります」と伝える。お客様がフィッシングメールと見分けやすくなる
- 決済ページの金額と有効期限を設定し、期限切れのURLは作り直す
- 決済が完了したことを管理画面で確かめてから、車両の発送や登録の手続きに進む
- 来店できるお客様、納車で会えるお客様には、決済端末で対面で受ける
日本カーネットが自動車業の方限定で取り次ぐ決済端末サービスは、店頭や納車の場面でカードを読み取る対面決済の端末です。1台で約70ブランドに対応し、カード決済は Visa・Mastercard 2.99%〜、その他のカード3.24%〜、端末のレンタル費用・初期設定費用・月額利用料は0円(適用には条件があり、通信環境は別途用意)です。端末の選び方は決済端末の選び方、導入の流れはキャッシュレス決済導入ガイドにまとめています。
リンク決済は範囲を絞り、会える場面は端末で受ける
リンク決済を使う前に、受ける取引の範囲、送る前の本人確認、決済ページの金額と有効期限、完了確認の手順を決めておきます。送る前に電話で本人と金額を確かめ、これからURLを送ると伝えておくと、お客様がフィッシングと見分けやすくなります。車両の発送や登録は、管理画面で決済完了を確かめてから進めます。来店できるお客様や納車で会えるお客様には、決済端末で IC と暗証番号による対面決済を行うのが、不正利用への備えとして最も確かです。
よくある質問
- リンク決済とは何ですか。
- 店が金額を指定した決済ページのURLをメールやSMSで送り、お客様がそのページでカード情報を入力して支払う方法です。店に来ないお客様から代金を受けられます。
- 中古車の代金をリンク決済で受けても大丈夫ですか。
- 受けられるかどうかは、使う決済サービスの条件によります。非対面の取引は、盗まれたカード情報による「なりすまし」の被害が多く、クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】によると2023年の不正利用被害約541億円の約9割がEC加盟店でのなりすましです。高額な車両では、本人認証に対応したサービスを選び、本人確認を重ねてください。
- お客様からカード番号を電話で聞いて決済してもよいですか。
- 避けてください。割賦販売法は加盟店にカード番号等の適切な管理と不正利用の防止を義務付けており、電話で聞いた番号を店の機器に入力すると、カード情報が店を通ることになります。
- リンク決済と決済端末はどちらを入れるべきですか。
- 来店や納車でお客様に会える取引が多いなら、決済端末で対面で受けるのが基本です。リンク決済は一度も対面しない取引に絞って検討するのが現実的です。
- 車両販売システムで作った注文書とリンク決済はつながりますか。
- 車両販売システムや車販ソフトの注文書と、決済サービスの決済ページは別々に作ることが多く、金額の転記ミスに注意が要ります。リンクを送る前に注文書の金額と照合してください。整備システム・整備ソフト DREAM POWER と決済端末サービスについては日本カーネットにご相談いただけます。
出典・参考資料
- クレジット取引セキュリティ対策協議会(事務局 一般社団法人日本クレジット協会)「クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】」2025年3月
https://www.j-credit.or.jp/security/pdf/Creditcardsecurityguidelines_6.0_published.pdf - 経済産業省 商取引監督課「割賦販売法(後払信用)の概要」2021年6月
https://www.meti.go.jp/policy/economy/consumer/credit/pdf/kappuhanbaihoatobaraibunyanogaiyosiryo.pdf - 日本カーネット株式会社「電子決済・バーコード決済サービス【オプション】」
記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。手数料・条件は変わることがあるため、最新の内容は日本カーネットへのお問い合わせでご確認ください。
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