キャッシュレス決済比率の推移|2025年58.0%と整備・車販への影響

経済産業省は2026年3月31日、2025年のキャッシュレス決済比率を公表しました。新しく設けた国内指標で58.0%、従来の国際比較指標で46.3%です。決済額は162.7兆円で、2018年の73.7兆円から7年で2倍を超えました。この記事では、比率の推移と決済手段ごとの内訳を整理し、1件あたりの金額の違いから、整備工場や中古車販売店の会計にどう関わるかを考えます。

キャッシュレス決済比率とは(国内指標と国際比較指標)

キャッシュレス決済比率は、家計の消費のうち、どれだけがクレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済で支払われたかを示す数字です。分子はこの4つの決済手段の決済額の合計で、分母は消費の総額です。

2025年分の公表から、分母の取り方が違う2つの指標が並ぶようになりました。国際比較指標は、分母に民間最終消費支出を使います。国内指標は、家計最終消費支出から持ち家の帰属家賃を除いた額を分母にしています。持ち家の帰属家賃は、自分の家に住んでいる人も家賃を払っているとみなして計算する金額で、実際にお金が動く支払いではありません。

2025年の分母は、国内指標が280.6兆円、国際比較指標が351.6兆円でした。同じ162.7兆円の決済額を割っても、分母が小さい国内指標のほうが比率は高く出ます。ニュースや資料で比率を見るときは、どちらの指標の数字かを確かめてから比べるようにします。

キャッシュレス決済比率の2つの指標

キャッシュレス決済比率には、経済産業省が2025年分から公表を始めた国内指標と、以前から使われてきた国際比較指標の2つがあります。どちらも分子はクレジットカード、デビットカード、電子マネー、コード決済の決済額の合計で、2025年は162.7兆円でした。違いは分母で、国際比較指標は民間最終消費支出(2025年は351.6兆円)、国内指標は家計最終消費支出から持ち家の帰属家賃を除いた額(同280.6兆円)を使います。持ち家の帰属家賃は実際の支払いを伴わない金額なので、これを除いた国内指標のほうが、お店の店頭での支払いの実感に近い数字です。2025年の比率は国内指標で58.0%、国際比較指標で46.3%となりました。

キャッシュレス決済比率の推移(2018年〜2025年)

経済産業省の公表資料から、2018年以降の推移を並べます。

年キャッシュレス決済額国内指標国際比較指標
2018年73.7兆円29.8%24.1%
2019年81.9兆円33.4%26.8%
2020年85.8兆円37.3%29.7%
2021年95.0兆円40.0%32.5%
2022年111.0兆円44.0%36.0%
2023年126.7兆円48.4%39.3%
2024年141.0兆円52.8%42.8%
2025年162.7兆円58.0%46.3%

国際比較指標で見ると、2018年の24.1%から2025年の46.3%まで、毎年2〜4ポイントずつ上がっています。政府は2020年7月に閣議決定した成長戦略フォローアップで、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を4割程度にする目標を掲げていました。キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス・ロードマップ2024」は、2023年の39.3%の時点で、この目標の達成が目前だと書いています。2024年には42.8%となり、目標の4割を超えました。

地域の数字では、東京都が都内在住者を対象に調べた2025年度のキャッシュレス決済比率(金額ベース)が62.2%で、前年度から1.5ポイント上がっています。調査の方法が国の統計とは違うため、そのまま比べることはできませんが、都市部では支払いの6割以上が現金以外になっていることがわかります。

キャッシュレス決済比率の推移から言えること

キャッシュレス決済比率は、経済産業省の国際比較指標で2018年の24.1%から2025年の46.3%へ、7年で約2倍になりました。決済額も73.7兆円から162.7兆円へと2.2倍に増えています。伸びは止まっておらず、2024年から2025年にかけては決済額が21.7兆円増え、比率も国際比較指標で3.5ポイント上がりました。政府が2020年に掲げた「2025年6月までに4割程度」という目標は、2024年の42.8%で超えています。東京都の調査では都内の比率が2025年度に62.2%となっており、とくに都市部のお客様にとって、現金を持ち歩かない支払いは特別なものではなくなっています。

決済手段別の内訳:クレジットカードが8割、コード決済が1割

2025年の決済額162.7兆円を決済手段ごとに分けると、クレジットカードが134.6兆円で82.7%を占めます。次いでコード決済が16.6兆円で10.2%、電子マネーが6.0兆円で3.7%、デビットカードが5.5兆円で3.4%でした。2024年はクレジットカード116.9兆円、コード決済13.5兆円、電子マネー6.2兆円、デビットカード4.4兆円だったので、電子マネー以外はいずれも1年で金額が増えています。

クレジットカードの構成比は2018年の90.5%から少しずつ下がっていますが、金額は2倍に増えています。コード決済は2018年の0.2兆円から2025年の16.6兆円まで伸び、構成比は10.2%になりました。電子マネーだけは2024年の6.2兆円から2025年の6.0兆円へ減っています。

決済件数と1件あたりの金額の違い

決済件数で見ると、2025年は全体で435億200万件でした。内訳はクレジットカードが228億3,200万件、コード決済が134億9,600万件、電子マネーが58億300万件、デビットカードが13億7,100万件です。コード決済の件数は2018年の5,200万件から大きく伸び、件数ではクレジットカードに次ぐ2番目の手段になっています。

決済額を件数で割ると、1件あたりの平均の金額の目安が出ます。クレジットカードは134.6兆円を228億3,200万件で割って約5,900円、デビットカードは約4,000円になります。コード決済は16.6兆円を134億9,600万件で割って約1,200円、電子マネーは約1,000円です。2018年のクレジットカードは66.7兆円を100億6,000万件で割って約6,600円だったので、カードも少しずつ日常の少額の支払いに使われるようになってきたことがうかがえます。

1件あたりの目安は、経済産業省の決済額と件数から当サイトで計算したものです。コード決済や電子マネーは1,000円前後の買い物で使われ、金額の大きい支払いほどクレジットカードに寄っていることが読み取れます。

キャッシュレス決済の1件あたりの金額

経済産業省の2025年の数字を件数で割ると、1件あたりの平均の金額はクレジットカードが約5,900円、デビットカードが約4,000円、コード決済が約1,200円、電子マネーが約1,000円になります。決済件数ではコード決済が134億9,600万件とクレジットカードの約6割まで増えていますが、金額では10.2%にとどまります。つまり、コード決済や電子マネーは日々の少額の買い物、クレジットカードはまとまった金額の支払いという使い分けが、統計にも表れています。数万円から数十万円の会計が中心の整備工場や中古車販売店では、お客様が選ぶ支払い方法はクレジットカードが中心になると考えられます。

自動車業の会計に当てはめると、どの決済手段が求められるかは金額で分かれます。車検、鈑金修理、タイヤ交換、車両代金の頭金のような数万円以上の会計では、クレジットカードで払いたいというお客様が中心になると考えられます。オイル交換、ワイパーや用品の購入、洗車のような数千円以下の会計では、QRコード決済や交通系電子マネーで払いたいお客様も出てきます。どちらか片方だけに対応すると、もう片方の会計で「使えないんですか」と聞かれる場面が残ります。

キャッシュレス決済比率が自動車整備・車販に与える影響

統計からは、自動車業のお店にとって3つの変化が読み取れます。

  1. 現金を持ち歩かないお客様が増えています。支払いの半分以上が現金以外になると、車検や修理の当日に必要な現金を用意していないお客様が自然に増えます
  2. 高額の会計ほどクレジットカードが選ばれます。カードの1件あたりの目安は約5,900円で、数万円以上の会計ではカード払いの希望がさらに強くなると考えられます
  3. 少額の会計ではコード決済と電子マネーが使われます。オイル交換や用品の数千円の会計では、QRコード決済や交通系電子マネーで払いたいお客様がいます

この3つを合わせると、整備工場や中古車販売店では、車検や鈑金修理、車両代金のための分割払いに対応したクレジットカード決済と、少額会計のためのQRコード決済や電子マネーの両方を、1台の端末で受けられる形が現実的です。QRコード決済の受け方はQRコード決済の導入方法と手数料、お店側の損得はキャッシュレス決済のメリット・デメリットで整理しています。

キャッシュレス決済比率の上昇が整備工場に意味すること

キャッシュレス決済比率が2025年に国内指標で58.0%まで上がったことは、整備工場や中古車販売店にとって、現金しか受けないことが入庫や購入の妨げになりうる段階に来たことを意味します。車検は自家用乗用車なら2年に1度の出費で、お客様は毎月の財布とは別に費用を用意する必要があります。支払いの半分以上を現金以外で済ませている人にとって、車検のために銀行で現金を下ろすのは手間の多い作業です。クレジットカードの分割払いやボーナス払いを選べれば、点検で見つかった追加整備も先送りされにくくなります。比率は毎年上がり続けているため、対応を先に延ばすほど、支払い方法を理由にほかの店を選ぶお客様が増えると考えておくのが安全です。

日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービス

日本カーネットは、自動車業の方に限って決済端末サービスを取り次いでいます。1台で約70ブランドに対応し、クレジットカード(Mastercard、Visa、JCB、American Express、Diners Club、Discover)の分割払い、リボ払い、ボーナス払いも受けられます。QRコード決済はPayPay、d払い、楽天ペイ、au PAYなど、電子マネーは交通系電子マネーやiD、QUICPay、nanaco、WAONなどに対応します。

端末のレンタル費用、初期設定費用、月額利用料は0円(適用には条件あり、通信環境は別途)です。決済手数料はカード(Visa/Mastercard)2.99%〜、その他カード、電子マネー、QRコード決済が3.24%〜です。端末の選び方は決済端末の選び方で、導入の流れは整備工場のキャッシュレス決済導入ガイドで説明しています。

よくある質問

2025年のキャッシュレス決済比率は何%ですか?
経済産業省の公表で、国内指標が58.0%、国際比較指標が46.3%です。キャッシュレス決済額は162.7兆円で、内訳はクレジットカードが82.7%、コード決済が10.2%、電子マネーが3.7%、デビットカードが3.4%でした。
国内指標と国際比較指標はどちらを見ればよいですか?
海外と比べるときは国際比較指標、国内のお店での支払いの実感に近い数字を見たいときは国内指標が向いています。国内指標は、分母から実際の支払いを伴わない持ち家の帰属家賃を除いているためです。
キャッシュレス決済比率の推移はどうなっていますか?
国際比較指標で、2018年24.1%、2019年26.8%、2020年29.7%、2021年32.5%、2022年36.0%、2023年39.3%、2024年42.8%、2025年46.3%と、毎年上がっています。
整備工場でもキャッシュレス対応は必要ですか?
支払いの半分以上が現金以外になっているため、車検や修理など金額の大きい会計がある整備工場ほど、カード払いへの対応を考える価値があります。自動車整備システムや整備ソフトで作った請求書の金額を、そのまま決済端末で受けられるようにしておくと、会計の手間も増えません。整備ソフトのおすすめを探している段階なら、整備システム・整備ソフト DREAM POWER とあわせて決済端末の相談もできます。
キャッシュレス決済比率の数字はどこが公表していますか?
全国の数字は経済産業省が毎年公表しています。2025年分は2026年3月31日に公表されました。地域では、東京都が都内のキャッシュレス決済比率を独自に調査しており、2025年度は62.2%でした。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。手数料・条件は変わることがあるため、最新の内容は日本カーネットへのお問い合わせでご確認ください。

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