車検でPayPayなどQRコード決済は使える?高額会計での注意点

「車検はPayPayで払えますか」という問い合わせは、スマートフォン決済が日常になったいま、整備工場の受付でも珍しくありません。答えは費目によって分かれます。点検料や部品代などの整備費用は、店がQRコード決済に対応していれば払えます。一方、自動車重量税と検査登録手数料について国土交通省が用意したキャッシュレスの仕組みは、二次元コード決済(QRコード決済)とプリペイド式電子マネーに対応していません。このページでは、車検が「現金のみ」になりやすい理由と、整備工場が数万円以上の会計でQRコード決済を受けるときの注意点を整理します。

車検でQRコード決済が使えるかは費目で分かれる

車検代は、整備工場の売上になる部分と、国や保険会社に納める部分の合計です。QRコード決済が使えるかどうかも、この区分で変わります。

費目納め先QRコード決済について
車検基本料・点検料・部品代・工賃整備工場店がQRコード決済に対応していれば払える
自動車重量税国国土交通省のキャッシュレスの仕組みはクレジットカードとブランドデビットのみ。二次元コード決済には対応していない
検査登録手数料・検査手数料国・自動車技術総合機構同上
自賠責保険料損害保険会社・共済加入先によっては現金のみの場合がある

国土交通省の自動車検査登録総合ポータルは、自動車重量税・検査登録手数料・自動車技術総合機構に納める検査手数料・技術情報管理手数料(OBD手数料)について、Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners のクレジットカードと、これらのブランドのデビットカードで払えると案内しています。同じページに「プリペイド式電子マネー、二次元コード決済には対応していません」と明記されています。

自賠責保険料について、国土交通省の自賠責保険・共済ポータルは、加入できる場所として損保会社や共済組合の窓口、保険・共済代理店、販売店、整備工場などを挙げたうえで、「店舗によっては保険料の支払いが現金のみの場合があります」と注記しています。車検の見積書で法定費用が「現金でお預かり」となっているのは、こうした事情も背景にあります。

車検のQRコード決済は整備費用なら可、国の税・手数料は非対応

車検でPayPayなどのQRコード決済が使えるかは費目で分かれます。点検料・部品代・工賃などの整備費用は、整備工場がQRコード決済に対応していれば払えます。自動車重量税と検査登録手数料については、国土交通省が令和5年1月からクレジットカードで払える仕組みを用意していますが、使えるのは Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners のカードとブランドデビットで、二次元コード決済とプリペイド式電子マネーには対応していません。自賠責保険料は加入先によって現金のみの場合があると国土交通省が注記しています。車検代の全額をQRコード決済で払えるとは限らないため、見積書で区分を分けて案内します。

車検が「現金のみ」と言われる理由

「車検は現金のみ」と案内する整備工場があるのには、いくつかの事情が重なっています。

1つ目は、法定費用の納め方です。国土交通省の令和3年の資料によると、当時、窓口申請での自動車重量税の納付は自動車重量税印紙に限られていました。OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)でのオンライン申請ではATMやインターネットバンキング、ダイレクト納付が使えたものの、クレジットカードには対応していませんでした。令和5年1月にクレジットカード払いが加わりましたが、支払者がカード情報を事前に登録する仕組みで、クレジットカードと印紙・証紙を併用することはできません。また、軽自動車検査協会が行う軽自動車の手続きはクレジットカード払いの対象外です。

2つ目は、店の立替えです。整備工場が法定費用を先に納め、引き渡し時にお客様から受け取る流れでは、法定費用までキャッシュレスで受けるとその分の決済手数料を店が負担することになります。そのため「整備費用はキャッシュレス可、法定費用は現金でお預かり」と分ける店が少なくありません。

3つ目は、単純にキャッシュレス決済を導入していないケースです。この場合は整備費用も現金のみになり、お客様が入庫先を選ぶ段階で候補から外れることもあります。

車検の「現金のみ」は法定費用の納め方と立替えが理由

車検が現金のみと案内される背景には、法定費用の納め方と整備工場の立替えがあります。国土交通省の令和3年の資料では、自動車重量税の窓口納付は自動車重量税印紙のみで、OSS申請もクレジットカードに対応していませんでした。令和5年1月からカード払いが加わりましたが、支払者がカード情報を事前登録する方式で、印紙との併用はできず、軽自動車検査協会の手続きは対象外です。店が法定費用を立て替えてから受け取る場合、キャッシュレスで受けると手数料も店の負担になるため、整備費用だけをキャッシュレスの対象にする店が多くなります。

高額な車検代をQRコード決済で受けるときの注意点

車検は数万円から十数万円の会計になります。QRコード決済は数千円の会計で使われることが多い決済方法で、高額の会計では次の点に気を付けます。

  • 支払い上限:QRコード決済には、サービスごと、お客様のアカウントの状態ごとに1回・一定期間あたりの上限が設けられている場合がある。高額になるときは、決済前に「上限で止まった場合はカードでもお受けできます」と伝えておく
  • 残高不足:チャージ残高から払う設定のお客様は、会計の途中で残高が足りなくなることがある。チャージを待つ間に次のお客様が詰まらないよう、カウンターの外で操作してもらう
  • 読み取り方式:お客様が店の掲示コードを読み取って金額を入力する方式は、高額会計で打ち間違いが起きやすい。店側の端末で金額を入れ、お客様のコードを読み取る方式が向いている
  • 完了確認:お客様のスマートフォンの画面だけで判断せず、店側の端末に完了が表示されたのを確かめてから車を引き渡す
  • 取消しの手順:追加整備の内容が変わり金額を訂正するときの取消し・再決済の手順を、受付担当で共有しておく

QRコード決済の導入方法と読み取り方式の違いは、QRコード決済の導入方法と手数料で詳しく説明しています。高額会計の主力はクレジットカードです。車検代を分割払いで受ける方法は車検の分割払い・ローンをご覧ください。

高額会計は上限・残高・完了確認の3点を押さえる

車検代のような数万円以上の会計をQRコード決済で受けるときは、支払い上限、残高不足、完了確認の3点に注意します。QRコード決済にはサービスやアカウントの状態ごとに上限が設けられている場合があり、残高払いのお客様は途中で足りなくなることもあります。金額の打ち間違いを防ぐため、店側の端末で金額を入れてお客様のコードを読み取る方式が向いています。引き渡しは店側の端末で完了表示を確かめてからにし、止まったときに備えてクレジットカードでも受けられるようにしておくと会計が止まりません。

整備工場が受けられるQRコード決済と手数料

日本カーネットが自動車業の方限定で取り次ぐ決済端末サービスでは、1台の端末で約70ブランドのキャッシュレス決済に対応しています(Alipay+ と Smart Code の傘下ブランド数を含む数え方)。QRコード決済は PayPay、d払い、メルペイ、楽天ペイ、au PAY、Alipay+、WeChat Pay、Smart Code などです。LINE Pay は2025年4月30日で国内サービスを終了しているため、店頭のステッカーやのぼりに残っていれば外しておきます。

決済の種類手数料車検代8万円の場合
カード決済(Visa・Mastercard)2.99%〜2,392円
カード決済(その他のカード)3.24%〜2,592円
QRコード決済3.24%〜2,592円
Alipay+・WeChat Pay3.0%〜2,400円
電子マネー決済3.24%〜2,592円

端末のレンタル費用・初期設定費用・月額利用料は0円です(適用には条件があり、通信環境は別途用意)。車検代のうち整備費用だけをキャッシュレスの対象にすれば、手数料は店の売上部分にだけかかります。たとえば車検代8万円のうち法定費用が3万円、整備費用が5万円なら、QRコード決済で受ける整備費用5万円の手数料は3.24%で1,620円です。

QRコード決済は3.24%〜、整備費用だけを対象にすると手数料が絞れる

日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスは、1台で約70ブランドに対応し、QRコード決済は PayPay・d払い・メルペイ・楽天ペイ・au PAY・Alipay+・WeChat Pay・Smart Code などを受けられます。手数料はQRコード決済3.24%〜、Alipay+・WeChat Pay 3.0%〜、カード決済は Visa・Mastercard 2.99%〜です。端末のレンタル・初期設定・月額利用料は0円(条件あり)です。車検代8万円のうち整備費用5万円だけをQRコード決済で受ければ、手数料は3.24%で1,620円で済みます。

車検の会計を「現金のみ」から切り替える手順

  1. 見積書を「車検基本料・整備費用」と「法定費用(自賠責保険料・自動車重量税・検査手数料)」に分け、キャッシュレスの対象を書く
  2. 法定費用を入庫時に現金で預かるのか、引き渡し時にまとめてキャッシュレスで受けるのかを決める
  3. 受付・入口・自社サイトの車検ページに、使えるQRコード決済とカードのブランドを掲示する
  4. 高額会計で上限に当たったときの代わりの手段(クレジットカード)を受付担当で共有する
  5. 取消し・再決済の操作を一度練習してから運用を始める

国の仕組みでお客様のカードから重量税と手数料を直接払ってもらう方法もありますが、事前登録が前提で、QRコード決済は使えません。お客様にとって一番わかりやすいのは、店の売上部分で好きな決済方法を選べることです。導入の流れは整備工場のキャッシュレス決済導入ガイド、決済端末の選び方は決済端末の選び方にまとめています。

切り替えは見積書の区分と掲示から始める

車検の会計を現金のみからキャッシュレスに切り替えるときは、まず見積書を車検基本料・整備費用と法定費用に分け、キャッシュレスの対象を明記します。法定費用を入庫時に現金で預かるか、引き渡し時にまとめて受けるかを決め、受付と自社サイトに使えるQRコード決済とカードのブランドを掲示します。国土交通省の仕組みで重量税と検査登録手数料をお客様のカードで納めてもらう方法もありますが、事前登録が要り、二次元コード決済は対象外です。上限で止まったときにカードへ切り替える手順まで決めておけば、繁忙期の受付でも会計が止まりません。

よくある質問

車検代は全額PayPayで払えますか。
整備費用は、整備工場がPayPayなどのQRコード決済に対応していれば払えます。自動車重量税と検査登録手数料について国土交通省が用意したキャッシュレスの仕組みは、二次元コード決済に対応していません。法定費用まで含めて払えるかは店の運用によるため、入庫前に確かめてください。
車検が「現金のみ」の整備工場が多いのはなぜですか。
窓口での法定費用の納付が印紙中心だったことと、店が法定費用を立て替えてから受け取るため、その分までキャッシュレスで受けると手数料が店の負担になることが主な理由です。自賠責保険料も、加入先によって現金のみの場合があると国土交通省が注記しています。
軽自動車の車検でも重量税をカードで払えますか。
国土交通省のチラシでは、クレジットカードが使えるのは国の手続きのみで、軽自動車検査協会が実施している軽自動車の手続きはクレジットカード払いに対応していないと案内されています。
QRコード決済の手数料は誰が払いますか。
決済手数料は加盟店である整備工場が負担します。日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスでは、QRコード決済が3.24%〜、Alipay+・WeChat Pay が3.0%〜です。会計処理は決済手数料の勘定科目と消費税で解説しています。
整備ソフトのおすすめを選ぶとき、決済端末との相性は見たほうがよいですか。
整備ソフトのおすすめを比べるときは、請求書の作り方と入金の消込がしやすいかを見ておくと、キャッシュレス対応後の事務が軽くなります。日本カーネットの決済端末サービスは、整備システム・整備ソフト DREAM POWER をお使いの工場にも対応済みです。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。手数料・条件は変わることがあるため、最新の内容は日本カーネットへのお問い合わせでご確認ください。

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