決済端末の選び方|整備工場・車販店が見るべき7項目と費用の考え方

決済端末は、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済をお店で受け付けるための機械です。整備工場や中古車販売店では、オイル交換の数千円から車検の十数万円、車両代金の数十万円まで、1台の端末で幅広い金額を受けることになります。そのため、飲食店や小売店向けの「おすすめ」をそのまま当てはめると、分割払いが使えない、入金が遅くて部品代の支払いと合わない、といったずれが起きます。この記事では、自動車業のお店が決済端末を選ぶときに見る7項目と、費用の内訳、置き場所と会計の流れを順に説明します。

決済端末の種類と、整備工場・車販店での使われ方

店頭で使う決済端末は、大きく3つの形に分かれます。1台でカード、電子マネー、QRコード決済を読み取れるオールインワン型、スマートフォンやタブレットにカードリーダーをつなぐ型、レジ(POS)とつないで金額を自動で送る型です。どれが合うかは、会計をする場所と1日の会計件数で決まります。

端末の形特徴自動車業で合いやすい場面
オールインワン型カード、電子マネー、QRコードを1台で受ける。通信機能を持ち、持ち運べるものが多い受付カウンターと納車場所の両方で会計する工場、車両代金を商談席で受ける販売店
スマホ・タブレット接続型手持ちの端末にリーダーをつなぐ。端末側の電池や通信に左右される会計件数が少なく、担当者が1人で回すお店
POS連動型レジの金額が端末に送られ、打ち間違いが起きにくい用品販売の件数が多いお店。整備の請求書を別システムで作る工場では二重入力になりやすい

整備工場の会計は、作業が終わってから請求書を作り、お客様が来店したときにまとめて精算する形が多くなります。請求書は整備システムで作り、決済端末には金額を入力して受ける、という使い方が一般的です。この場合、端末に求められるのはレジとの連動よりも、どの支払い方法でも1台で受けられることと、持ち運べることです。

決済端末の形を選ぶ基準

整備工場や中古車販売店では、1台でクレジットカード、電子マネー、QRコード決済を受けられるオールインワン型が使いやすい形です。車検や鈑金修理の精算は受付カウンターで、車両代金は商談席で、出張整備ならお客様の自宅や事業所で受けることがあり、会計の場所が1か所に決まらないためです。スマートフォン接続型は初期の持ち出しが少ない一方、担当者のスマートフォンの電池や通信状態に会計が左右されます。POS連動型は用品の物販が多いお店に向きますが、請求書を整備システムで作る工場では、システムとレジの両方に金額を入れることになりがちです。1日の会計件数が10件前後までの工場なら、端末1台で受付と納車の両方を回せるかを先に確かめると選びやすくなります。

決済端末の選び方:自動車業で見るべき7項目

決済端末は手数料率だけで比べがちですが、自動車業では手数料率以外の項目で困ることがよくあります。次の7項目を、申込みの前に一通り確かめておきます。

確認項目確かめること自動車業で効く理由
1. 対応ブランドクレジットカードの国際ブランド、交通系電子マネー、QRコード決済のどこまで受けられるか車検や鈑金はカード、オイル交換や用品は電子マネーやQRコードと、金額で使われる手段が変わる
2. 分割払い・ボーナス払いカードの分割払い、リボ払い、ボーナス払いを端末で選べるか車検や修理の十数万円を一括で払えないお客様に、入庫を先送りさせずに済む
3. 決済手数料率ブランドごとの率。最低率だけでなく、よく使われる手段の率高額会計が多いと、率の差がそのまま金額の差になる
4. 端末代と月額費用端末の購入代かレンタル料か、月額の固定費があるか閑散期に売上が少なくても固定費は出ていく
5. 入金サイクル締め日と振込日、振込手数料部品商や仕入先への支払い日と合わないと資金繰りが苦しくなる
6. IC対応とPIN入力ICチップの読み取りと暗証番号(PIN)入力に対応しているかクレジットカード・セキュリティガイドラインで対面加盟店の端末はIC対応が求められている
7. サポートと故障時の対応問い合わせ窓口の時間、故障時の交換や修理の費用土曜や月末の納車が重なる日に端末が止まると、その日の精算ができない

この中で見落とされやすいのは2と5です。分割払いは、端末の機能と決済会社側の設定の両方が対応していないと使えないため、申込み前に必ず確かめます。入金サイクルは、月に1回の振込か2回の振込かで、月末の資金の厚みが変わります。手数料率の詳しい比べ方は決済手数料の相場と誰が負担するかでまとめています。

決済端末のおすすめを判断する順番

自動車業のお店が決済端末を選ぶときは、対応ブランドと分割払いを最初に確かめ、次に費用と入金サイクル、最後にサポートを比べる順番が失敗の少ない進め方です。手数料率が0.2%低くても、分割払いが使えなければ15万円の車検を先送りされる場面が出てきますし、入金が月1回だけなら、月末に部品代の支払いが重なった月に現金が足りなくなることがあります。15万円の会計で率が0.2%違うと、差は300円です。一方で、端末が故障して土曜の納車で精算できなければ、お客様に出直してもらうことになります。おすすめの端末は業種によって変わるため、自店の会計で一番多い金額帯と支払い方法を書き出してから比べると判断がぶれません。

決済端末のセキュリティ:IC対応とPIN入力のルール

クレジットカードを扱うお店には、割賦販売法でカード番号等の適切な管理と不正利用の防止が義務付けられています。日本クレジット協会によると、2018年6月1日に施行された改正割賦販売法で、加盟店にもこの義務が課されました。その実務の指針として、クレジット取引セキュリティ対策協議会が「クレジットカード・セキュリティガイドライン」をまとめており、2026年3月に6.1版が公表されています。

  • 対面で取引するお店は、設置する決済端末の全てをIC対応にする(ICチップを読み取れる端末を置く)
  • IC取引の本人確認は、原則として暗証番号(PIN)の入力。少額の非接触取引など、本人確認を省ける範囲もある
  • 暗証番号を忘れたお客様にサインで代える「PINバイパス」は、現在は認められていない
  • サインは国際ブランドのルールで本人確認としての有効性が認められていないが、お店の業務で必要なら取ってもよい
  • POSを使わず、IC対応の決済専用端末だけでカード情報を外部に送る形は、カード情報をお店で持たない「非保持化」に当たる

整備工場で起きやすいのは、高額の車検代でお客様が暗証番号を思い出せない場面です。この場合、サインで代えることはできないため、別のカードや別の支払い方法を案内することになります。見積りの段階で「カード払いには暗証番号が必要です」と伝えておくと、納車の場で慌てずに済みます。

決済端末のIC対応が求められる理由

クレジットカード・セキュリティガイドライン6.1版(2026年3月)では、店頭でカードを受けるお店に対し、設置する決済端末の全てをIC対応にすることを求めています。ICチップを読み取る取引が広がったことで偽造カードによる不正利用は減り続けており、対面取引の不正利用対策としてはIC取引が最も効果的だと日本クレジット協会は説明しています。本人確認は原則として暗証番号(PIN)の入力で、暗証番号の代わりにサインを取るPINバイパスは廃止されています。また、POSを使わずにIC対応の決済専用端末だけを使い、カード情報を外部のセンターへ直接送っている場合は、カード情報をお店に残さない非保持化に当たります。整備工場がカード番号を紙に控えたり、電話で聞き取ったりする運用をやめ、端末に通すだけにしておくと、管理の負担と漏えいの心配を同時に減らせます。

決済端末の費用:端末代・月額・決済手数料・振込手数料

決済端末にかかるお金は、端末そのものの費用、毎月の固定費、決済ごとの手数料、入金時の振込手数料の4つに分けて考えます。このうち、売上に比例して増えるのは決済手数料だけです。

費用の種類かかり方日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスの場合
端末代購入、またはレンタルレンタル費用0円
初期設定費用導入時に1回0円
月額利用料毎月の固定費0円
決済手数料決済金額に対する率カード(Visa/Mastercard)2.99%〜、その他カード3.24%〜、電子マネー3.24%〜、QRコード決済3.24%〜
振込手数料入金のたびみずほ銀行、ドコモSMTBネット銀行は無料。その他の金融機関は180円(税別)
レシートプリンター必要なら別に購入別売19,500円(税別)

端末代、初期設定費用、月額利用料の0円は、適用に条件があります。通信環境はお店で用意します。金額の目安として、10万円の車検をVisaのカードで受けた場合、2.99%なら決済手数料は2,990円です。同じ10万円を電子マネーで受けると、3.24%で3,240円になります。新規申込みで中小企業者の条件に合うお店は、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverのカード決済手数料が2.38%〜になる特別料率もあります(年間のキャッシュレス決済総額が税込3,000万円未満などの条件があり、ブランドごとに審査されます)。

決済端末の費用を比べるときの見方

決済端末の費用は、端末代、初期設定費用、月額利用料、決済手数料、振込手数料の5つを合わせて比べます。端末代と月額利用料は売上がない月にも出ていく固定費で、決済手数料と振込手数料は会計や入金の回数に応じて増える変動費です。たとえば月額3,000円の固定費がかかる端末で、ある月のキャッシュレス売上が10万円しかなければ、固定費だけで売上の3%に当たります。車検の繁忙期と閑散期の差が大きい整備工場では、固定費0円で変動費だけの形のほうが、月ごとの負担を読みやすくなります。一方で、毎月のキャッシュレス売上が大きいお店では、手数料率の0.1%の差が月額費用より大きく効くこともあるため、自店の月平均の売上で試算してから決めます。

手数料を経理でどう処理するか、消費税はかかるかは、決済手数料の勘定科目と消費税で詳しく書いています。

決済端末の置き場所と、車検・車両販売の会計の流れ

決済端末を入れたら、どこで、誰が、どのタイミングで操作するかを決めておきます。整備工場と中古車販売店では、会計の流れが少し違います。

  1. 整備工場:作業完了の連絡 → 来店時に請求書を説明 → 受付カウンターで端末に金額を入力 → お客様がカードを差し込み、暗証番号を入力 → 控えを渡して納車
  2. 鈑金塗装工場:見積り時に支払い方法と分割払いの可否を伝える → 修理完了後、仕上がりを一緒に確認 → 端末で精算
  3. 中古車販売店:契約時に支払い方法を決める → 車両代金や諸費用をカードで受ける場合は、利用枠の確認を先にお客様へお願いする → 商談席で端末を使って精算
  4. 出張整備や引取り納車:端末を持ち出し、お客様の前で精算する。通信が届くかを事前に確かめる

車検費用のうち、自賠責保険料や自動車重量税などの法定費用をカード払いの対象にするかどうかは、お店ごとに決めます。対象を見積書と店頭の表示で先に示しておくと、精算のときのやり取りが短くなります。車検のカード払いの線引きは車検はカード払いできる?整備費用と法定費用の違いを参考にしてください。車両代金をカードで受けるときの利用枠の考え方は車の購入をクレジットカードで払う場合で扱っています。

決済端末を置く場所の決め方

整備工場の決済端末は、受付カウンターに1台置き、納車や出張のときに持ち出す使い方が基本です。お客様の目の前でカードを読み取り、暗証番号を入れてもらうのが原則なので、カードを預かって奥の事務所で処理する運用は避けます。鈑金塗装工場では、修理の仕上がりを一緒に確かめた直後に精算できるよう、引渡し場所に端末を持っていけると会計が1回で終わります。中古車販売店では、車両代金や諸費用など数十万円の会計になることがあり、お客様のカードの利用枠が足りないこともあるため、商談の段階で支払い方法を決めておくと契約日に慌てません。どの業態でも、通信環境はお店で用意するため、工場の奥や屋外の納車場で電波が届くかを導入前に確認しておきます。

日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスの内容

日本カーネットは、自動車業の方に限って、決済端末サービスを取り次いでいます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER のオプションサービスとして案内しているもので、整備システム・整備ソフト DREAM POWER をお使いの工場にも対応しています。

  • 1台で約70ブランドに対応(クレジットカード、交通系電子マネー、その他電子マネー、QRコード決済)
  • クレジットカードはMastercard、Visa、JCB、American Express、Diners Club、Discover。分割払い、リボ払い、ボーナス払いにも対応
  • 交通系電子マネーはKitaca、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけん(PiTaPaは使えません)
  • QRコード決済はPayPay、d払い、メルペイ、楽天ペイ、au PAY、Alipay+、WeChat Payなど
  • カード決済の入金は、1日〜15日の売上が月末、16日〜月末の売上が翌月15日。電子マネーは1日〜末日の売上が翌月末
  • 24時間365日の電話窓口。必要に応じて後日エンジニアが訪問。レンタルのため故障時は無償で交換
  • 申込みから利用開始まで最短10営業日、目安は約2週間(状況により変わります)

銀行のキャッシュカードと一体になったデビットカードやVisaギフトカードは使えません。導入の流れと準備するものは整備工場のキャッシュレス決済導入ガイドにまとめています。

よくある質問

決済端末のおすすめは、どう選べばよいですか?
自店の会計で多い金額帯と支払い方法から選びます。車検や鈑金修理など10万円を超える会計が多いなら、カードの分割払いに対応していることを最初に確かめます。オイル交換や用品販売が多いなら、電子マネーとQRコード決済にも1台で対応していると便利です。そのうえで、端末代、月額費用、手数料率、入金サイクルを比べます。
決済端末はIC対応でないといけませんか?
クレジットカード・セキュリティガイドラインでは、店頭でカードを受けるお店に対して、設置する決済端末の全てをIC対応にすることを求めています。本人確認は原則として暗証番号の入力です。磁気だけを読み取る古い端末を使っている場合は、入れ替えを検討してください。
お客様が暗証番号を忘れた場合、サインで代えられますか?
暗証番号の代わりにサインで取引するPINバイパスは、現在は認められていません。別のカードや電子マネー、現金など、ほかの支払い方法を案内します。見積りの段階で「カード払いには暗証番号が必要です」と伝えておくと安心です。
整備ソフトのおすすめと、決済端末は一緒に選んだほうがよいですか?
請求書を作る自動車整備システムと決済端末は役割が別なので、別々に選んでもかまいません。日本カーネットの決済端末サービスは、整備システム・整備ソフト DREAM POWER のオプションとして案内しており、整備システム・整備ソフト DREAM POWER をお使いの工場にも対応しています。整備ソフトのおすすめを探している段階なら、請求書の作り方と会計の流れをあわせて相談いただけます。
決済端末の導入にはどのくらいかかりますか?
日本カーネットが取り次ぐ決済端末サービスでは、WEBフォームでの申込み、必要書類の提出と審査、納品と設定を経て利用開始になります。最短10営業日、目安は約2週間です。状況により前後するため、納車の予定が決まっている場合は早めにご相談ください。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。手数料・条件は変わることがあるため、最新の内容は日本カーネットへのお問い合わせでご確認ください。

決済端末のレンタル・月額・初期設定 0円で、キャッシュレス対応。

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